その1 〜 太陽を浴びながら

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ここのところお互いに仕事が忙しく、なかなか二人で出かけることも出来ないでいた。
やっとの思いでスケジュールを調整し、何とか今日から一緒に有休を取ることが出来たのだった。

今年の初めに完成したばかりの別荘に、洗車したばかりのピカピカに光るオープンカーで向かう。
限られた有休を使った数日間、ゆっくりそこで疲れたからだと心を癒やすのである。

未だ春と言うには早いかもしれないと思うこの季節、幌を開けて走るとまばゆいばかりの太陽の光が我々を照らし出す。
オープンカーならではの、朝のキンと冷えた空気をかき分ける感覚を楽しみながら、赤松林を駆け抜ける。

季節はずれの行楽地。静まり返った別荘地は、都会の汚れた空気を逃れてやってきた私たちを、それぞれの季節の装いで迎え入れてくれた。

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