SORA KOUSOKU MOMIJI YUKI SAKURA
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3つのウッドデッキのある家

 建物は長野県安曇野の閑静な別荘集落地に建つ。普段都会の雑踏と汚れた空気の中で生活しているオーナーが、名水百選にも認定されている安曇野の綺麗な水、そして森の新鮮な空気によって体の隅々まで浄化させられる、そんな身体の安息と精神の充実を求めて訪れる週末住宅である。

 外壁は唐松板張り、そして室内の天井は全て西洋節桧とした。外部には2階からの眺めを楽しむ為の八角形のデッキ、露天風呂気分で浴室と行き来可能な三角形のデッキ、そしてリビングと隣接し、ガーデンパーティー等多目的に使える大きなデッキ、と3つのウッドデッキがある。

グリーンを主体とした外壁色に対して、これらウッドデッキはオレンジに近い木目色とし、赤松の葉の緑、木肌の赤茶をイメージしている。道路も舗装せず、塀すら設けないというこの地独自の条例の主旨を汲み、必要以上に自然を壊さないと同時に、赤松林の中に立つ建築として違和感を無くし、かつアクセントのある配色とした。

内部のメインとなる2階のオーナールームには、南面と西面の切妻屋根が直行してできる複雑な形状に、梁、母屋、筋交いからなる構造材を表しにし、木造ならではの構造美を積極的に取り入れた。星型天井と名付けたそこに設置した高窓を通して、昼は太陽の光が構造材をすり抜けて複雑な光と影を投げかける。夜には梁に設置した天井を照らす間接照明を消して、あふれんばかりの星空を眺めることが出来るのである。

 又、オール電化採用により高効率な電化機器との組み合わせで省エネルギー性は高くなる。火を使わないので二酸化炭素の発生がなく室内環境をクリーンに保つため、住宅自体の耐久性も長くなり、廃棄処理を含めライフサイクルにわたり環境にやさしい。


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